病院実習が辛い…
ミスしたら怒られるし、やることも多くて体力的にもしんどい…
初めての実習は慣れないことばかりで大変ですよね。
僕も当時はミスをして辛い思いをしました。
薬学部では臨床現場の基礎を学ぶために、医療機関で実習を行います。
しかしいざ実習が始めると、大変なことも多く辛いと感じている人も多いのではないでしょうか?
結論からいうと、薬学部の実習は辛い部分もあります。
そこで今回は実習が辛いときに行うべき対策を5つ紹介します。
- 薬学部の実習内容
- 実習が辛くなる5つの原因
- 実習が辛いときにすべき5つの対処法
薬学部にはどんな実習がある?
薬学部には主に3つの実習があります。
- 医療機関の見学
- 病院実習
- 薬局実習
低学年のときに医療機関を見学し、高学年になったら実際に現場に出て実務実習を行うという流れです。
特に病院・薬局での実務実習は文部科学省によってガイドラインが定められており、あらかじめ決められた指針をもとに実施されます。
大学はこのガイドラインに沿って実習計画をたて、提携している医療機関に学生を派遣するのです。
それでは各実習で何を行うのか、一つずつ解説していきます。
医療機関の見学
薬学部でまず初めに行うのが、医療機関を見学する実習です。
たいていは1年次に、1日から数日かけて行われます。
実習の流れは次の通りです。
- 事前講義を受ける
- 病院、薬局などを見学する
- 大学に戻ってグループディスカッションを行う
見学先は医療機関の他にも、保健所や老人ホーム、製薬企業の工場などもあります。
どこを見学するかは大学によってもさまざまです。
グループディスカッションでは薬剤師の役割や問題点を話し合い、プレゼンを行うこともあります。
見学実習では学生のやることは少なく、大変なことは全くありません。
後述の実務実習と比べると、ぶっちゃけかなり楽です。
肩の力を抜いて、気軽に行いましょう。
病院実習
5年次には病院実習を行います。
実習期間は11週間で、実習を行うのは基本的に平日です。
病院実習では主に次のことを実施します。
- 調剤業務
→錠剤のピッキングや散剤・水剤・軟膏の作成などを行います。 - 病棟業務
→患者へ薬の説明をしたり、持参薬と処方薬の飲み合わせチェックなどを行います。 - 抗がん剤や輸液の調製
- 病院内の見学
- 実習内容のパワポ発表
病院実習ではがんや心筋梗塞など、さまざまな病気について学べます。
普段目にすることのない薬も扱えます。
数十万円の抗がん剤を調製するときは手が震えました…(汗)
薬局実習
同じく5年次には薬局実習も行います。
期間は病院と同じで11週間です。
薬局実習では主に次のことを行います。
- 調剤業務
→病院と同じくピッキングや散剤の作成などを行います。 - 服薬指導
→処方された薬の説明、飲み合わせの確認、効果や副作用の確認などを行います。 - その他薬局業務
- 在宅業務の見学
- 保健所や医薬品卸メーカーの見学
- 学校薬剤師業務の見学
薬局では基本的に外来患者の対応をします。
患者とコミュニケーションをとるだけでなく、調剤や監査、事務作業など意外とやることは多いです。
保健所や卸メーカーの工場見学では、普段できない体験をさせてもらえたので楽しかったです。
薬学部の実習が辛い原因
実習の内容は、国が作ったカリキュラムによっておおむね決められています。
しかし具体的に何をするかは実習先にゆだねられており、なかには厳しく指導する実習先もあります。
どの実習先に行くかによって、僕たちの負担は異なります。
いわゆる実習先ガチャですね。
実習先によって大変さが異なるので、きついところを引いてしまった学生は、実習が辛くなってしまうことがあります。
実習が辛くなる原因は、主に次の5つです。
- 指導薬剤師が理不尽
- 同期の実習生と合わない
- 実習内容が大変すぎる
- ミスをしてしまう
- 朝起きるのが辛い
一つずつ解説していきます。
なおこちらの記事では、薬学部でどの学年が一番きついのかを解説しています。
指導薬剤師が理不尽
指導薬剤師に理不尽なことを言われ、実習が辛くなってしまう人は非常に多いです。
会社でいうパワーハラスメントですね。
上司と部下のように、指導薬剤師と実習生はどうしても上下関係ができてしまいます。
もちろん厳しく指導することは大事ですが、実習生を理不尽な目にあわせるのはよくありません。
例えば次のようなことです。
- ミスをしたら注意ではなく暴言を吐かれた
- 他の実習生との扱いに差をつけられた
- 明らかに多すぎる課題をやらされた
- 教わっていないことを無理矢理やらされた
- 不当な評価をつけられた
これらは全てパワハラに該当します。
実習生がミスをしたら、指導薬剤師は原因を一緒に考え、今後同じミスを防止するためのアドバイスをしなければなりません。
暴言を吐かれたとしても、あなたは全く悪くないです。
また明らかに実習生が行うのは不適当だと考えられる重大な業務や、異常な量の課題をやらせるのも間違っています。
もしあなたが実習で辛い思いをしているのであれば、これらに該当するかもしれません。
僕も実習中に教わっていないことをいきなりやらされて、とても困りました。
同期の実習生と合わない
実習は他大学の学生と一緒に行うことがあります。
特に病院実習では、あなたの他にも必ず同期が数人います。
同期の実習生との関係が悪くなってしまうと、実習先で非常に辛いです。
- お互いの性格が合わず接しづらい
- 自分よりデキる他の実習生に嫉妬する
- 真面目な実習生が、テキトーにやっている実習生を敵視する
上記のような話は色々なところから聞きました。
僕も薬局実習で同期とうまくいかず、非常に大変でした。
最後の方はほとんど会話もしなかったです。
実習内容が大変すぎる
実習内容が大変すぎて辛くなってしまうこともあります。
特に急性期病院などに配属されると、業務量が多くとても大変です。
こういったところは指導も厳しいことが多いので、実習が終わるとヘトヘトになってしまいます。
実習は仕事と違って何をどこまでやるのかが明確に決まっていないので、際限なく課題をふられるブラック企業状態になりがちです。
やることが多すぎる実習先に配属されると、辛く感じてしまう人も多いでしょう。
僕の大学でも、ブラック実習先といわれるところがいくつかありました。
ミスをしてしまう
実習先でミスをしてしまうと辛いですよね。
真面目で責任感が強い人は、ミスをするととても落ち込んでしまいます。
また錠剤の数を間違えちゃった…
はあ~、なんでこんなにミスばかりするんだろう。
○○さん、前も同じミスしてたよね?
どうして何度も言われないとできないのかしら。
うぅ~(涙)
実習は初めてのことばかりなので、多かれ少なかれミスは必ず起こります。
ときには叱られてしまうこともあるでしょう。
しかしミスのたびに落ち込んでいては、精神的に辛くなってしまいます。
あまり後向きに考えすぎないようにしましょう。
僕は病院実習のときに一度、寝坊して遅刻してしまったことがあります。
ですが指導薬剤師に頭を下げて謝り、その後の実習をすごく真面目にやったらほめられました。
ミスをしても、その後に精一杯フォローすれば大丈夫です!
朝起きるのが辛い
朝起きるのがしんどくて、実習が辛いという人もいます。
特に病院実習は朝8時など、集合時間が早いところが多いです。
夏休みなどの長期休暇で昼夜逆転してしまうタイプには、朝起きるのが非常に辛いと思います。
ですが、なんとしてでも実習には出席しましょう。
実習は基本的に出席していれば問題ありませんが、遅刻や欠席が重なると単位がもらえないことがあるからです。
寝坊しがちな人は、夜しっかり寝てください。
寝付けない場合は睡眠薬を使うのもアリです。
薬学部の実習が辛いときの対処法5選
ここからは実習が辛いときにやるべき対処法を紹介します。
結論からいうと、次の5つです。
- 辛い原因を明確にする
- 嫌な人はなるべく関わらない
- 責任を感じすぎないようにする
- 優秀な人と比較しない
- 大学に相談する
一つずつ解説していきます。
辛い原因を明確にする
まずは実習が辛い原因を明確にすることが大事です。
原因が分からなければ、解決のしようがありません。
例えば次のような原因が考えられます。
- 人間関係の問題
- 忙しさによる体力的な辛さ
- 失敗をしてしまうことによる精神的な辛さ
僕の経験上、実習が辛いという人はだいたい上記のどれかです。
原因が何であるかによって、解決方法も異なります。
まずは実習中のことを思い出し、どうして自分が辛くなってしまっているのかを考えてみましょう。
考えても分からない場合は、家族や友達に話してみるのがおすすめです!
誰かに話すことで「あっ、自分が悩んでいる原因はこれだ!」と気づくことがあります。
嫌な人はなるべく関わらない
辛い原因が人間関係である場合は、嫌な人となるべく関わらないようにしましょう。
そんなこといっても指導薬剤師とは毎日顔を合わせるし、関わらないなんて無理だよ。
実習を見てもらう以上、全く関わらないのは難しいです。
しかし必要以上に関わるのを避け、適切な距離感を保つことはできます!
指導薬剤師が苦手な場合、次のことを徹底しましょう。
- 実習が終わったらすぐ帰る
- 必要な会話だけ行い、雑談はしない
- 嫌味を言われたら適当なあいづちをして聞き流す
これらを実施するだけでも、状況は改善します。
大事なことは「立場が上の人でも、気を遣いすぎないこと」です。
あの指導薬剤師の先生は少し言い方がきついけど、私のことを思って叱ってくれてるんだから、言われたことをしっかり受け止めなきゃ。
こんな風に考えていませんか?
確かに指摘されたことを素直に受け止めることは大切です。
しかし嫌味や悪口まで聞き入れると、疲れてしまいます。
あなたに嫌な思いをさせる言葉を、素直に聞く必要はありません。
聞き流してしまいましょう。
また同期の実習生との関係がよくない場合は、その同期とは関わらないようにしてください。
指導薬剤師とは違い、同期とは関わらなくても問題なく実習を終えられます。
僕が薬局実習で同期と仲が悪くなったときは、昼休みを別々にとり、雑談も一切しませんでした。
それでもちゃんとやるべきことをやり、実習を完了できたので全く問題ありません!
嫌な人とは接する時間を最小限にする、あるいは全く関わらないようにしましょう。
責任を感じすぎないようにする
またミスをしてしまった。
私のせいで周りの人に迷惑がかかってしまう…
実習中にミスをしたときに、自分を責めてはいませんか?
真面目に取り組むことは大事ですが、責任を感じすぎるのはよくありません。
なぜなら責任感が強すぎると自己肯定感が下がり、自信がなくなってしまうからです。
実習中にミスをすることは珍しくありません。
むしろ、実習先の先生たちも「実習生はミスをする」という前提で指導をしています。
そのため実習生にはミスしても大丈夫な業務しか任せませんし、実習生がやった後はしっかり先生たちが確認しているはずです。
もし実習生のミスによって重大なことが起こるとしたら、それは指導薬剤師の責任です。
あなたが責任を感じる必要はありません。
ただしミスをしてしまったときには、素直に謝りその後のフォローは忘れないようにしましょう。
そうすれば大ごとにはならないはずです。
自分を責めることはやめて、適度な責任感をもって実習に取り組みましょう。
優秀な人と比較しない
自分を他の実習生と比べて落ち込んでしまうならば、優秀な人と比較するのは今すぐやめましょう。
どんな実習先にも、いわゆるデキる人は必ずいます。
例えば次のような人です。
- 有名大学の薬学部から来た秀才
- 先生からの質問に難なく答える優等生
- 仕事が早く次々と課題をこなしていく同期
○○大学のあの子はミスなく仕事が早いのに、どうして私はできないんだろう…
他人と比べて劣等感を抱いても辛いだけ。
大事なのは他人がどうかではなく、過去の自分と比べて成長できているかです!
「あの人と比べて私はまだ全然できてない」
ではなく
「以前はできなかったけど、今日はできるようになった!」
と考えましょう。
自分の成長を前向きにとらえることで、今後の成長スピードはさらに上がっていきます。
実習中は、自分と他の実習生を比べないようにしましょう。
大学に相談する
今までにお伝えした方法を実施しても解決できない場合は、大学に相談するのも手です。
大学には学生相談窓口があり、学生生活で困ったことを相談できます。
窓口では、
- 現在5年次で、実務実習に行っていること
- どんな理由で悩んでいるのか
- 今後どうしたいのか
を伝えましょう。
学生係のスタッフが相談にのってくれるはずです。
また実習を担当している教員に相談するのもおすすめです。
実習担当の教員は過去の先輩のさまざまなトラブルを聞いているため、あなたの悩みにも的確なアドバイスをくれる可能性があります。
辛いときは一人で抱えこまず、誰かに相談することも大切です。
悩みを話すことでストレスが解消されることもあります。
どうしても実習の問題が解決できないときは、大学の窓口や実習担当の教員に相談してみましょう。
まとめ:実習が辛い原因をつきとめ、有効な対策をとろう
あなたが実習を辛いと思うのは、必ず理由があります。
実習が辛い原因を大きく分けると次の5つです。
- 指導薬剤師が理不尽
- 同期の実習生と合わない
- 実習内容が大変すぎる
- ミスをしてしまう
- 朝起きるのが辛い
絶対にこのどれかに当てはまるわけではありませんが、今までの経験上9割くらいの確率で人間関係か体力的なキツさが原因です。
実習が辛いときは次の対策をおすすめします。
- 辛い原因を明確にする
- 嫌な人はなるべく関わらない
- 責任を感じすぎないようにする
- 優秀な人と比較しない
- 大学に相談する
どれもすぐに行動に移せる対策です。
辛いときは一人で悩まず、家族や友達に相談するのもよいでしょう。
せっかくの実習、気負いすぎず楽しんでくださいね。