留年してしまった。
これからどうしよう…
薬学部で留年すると、1年間多くの空き時間ができます。
なぜなら薬学部では数単位足らずに留年することが多く、留年中はほとんど大学に行かないこともザラだからです。
僕が留年したときに落とした単位は4単位です。
留年中は週2登校、1年間ほぼ夏休み状態でした(笑)
今まで勉強やレポートでとてつもなく忙しかったのに、留年すると急にやることがなくなってしまいます。
多くの人はこの空いた時間をダラダラ過ごしてしまいますが、ここで何をするかは非常に重要です。
1年間のあなたの行動で、今後の人生が大きく左右されます。
今回は実際に留年経験のある僕が、留年中にやっておくと良いことを5つ紹介します。
当時自分がしていたことや、後から「やっておくと良かったなあ」と思ったことを理由とともに解説していくので、ぜひ参考にしてください!
- 薬学部に留年が多い理由
- 留年したときにすべきこと
- 留年中のおすすめの過ごし方
薬学部はなぜ留年が多い?
薬学部は他学部と比べて留年が多いです。
▼直近5年間の6年制薬学部の留年者数
留年者数 | |
---|---|
2017年度 | 3,810 |
2018年度 | 3,765 |
2019年度 | 3,530 |
2020年度 | 3,553 |
2021年度 | 3,636 |
参考:政府統計ポータルサイト e-Stat「最低在学年限超過学生数」
上の表をもとに計算すると、直近5年間の留年率は30~33%ほどです。
入学者の3割はどこかのタイミングで留年しています。
なお、6年制薬学部の入学定員数は11,500人として計算しました。
留年者数 ÷ 6年制薬学部入学定員 ×100 = 留年率
4年制大学の平均留年率は18.4%なので、薬学部の留年率はかなり高いことが分かります。
参考:文部科学省HP「学校基本調査 平成30年度 調査結果の概要(高等教育機関)」
なぜ薬学部は留年が多いのでしょうか?
それは必修科目が多く、少しでも単位を落とすと即留年するからです。
通常、大学のカリキュラムは必修科目と選択科目の2種類があり、多少単位を落としてもすぐに留年にはなりません。
しかし薬学部の場合は別です。
ほぼ全ての科目が必修科目なので、単位を数個落としただけで留年が決まってしまいます。
例えば僕が通っていた大学では、3単位落としただけで留年になります。
必修科目が多い薬学部では、ちょっとの油断が留年につながってしまうのです。
薬学部の大変さは他の記事でも解説しています。
薬学部で留年したときにすべきこと
留年してしまったときには、やらなければならないことがあります。
それは次の3つです。
- 留年生ガイダンスに出席する
- 休学手続きをする
- 今後のスケジュールを把握する
どれも重要なことなので、一つずつ解説していきます。
留年生ガイダンスに出席する
大学では、年度の初めにガイダンスがあります。
同じ学科の学生が全員集まって教授の話を聞き、1年のスケジュールなどを確認します。
留年生も同じようにガイダンスがありますが、通常のものと日時や場所が異なる場合があるので注意が必要です。
学内の掲示板をしっかり確認しておきましょう。
留年生ガイダンスでは今後の流れや、やるべきことが通達されます。
必ず出席しましょう。
休学手続きをする
大学には休学の制度があり、申請することで大学を一定期間休むことができます。
休学は各学期ごとにできるので、以下の3通りの方法があります。
- 前期だけ休学する
- 後期だけ休学する
- 1年間休学する
留年中も大学には通わないといけないんだよね?
休学はできないんじゃないの?
留年と休学は深く関係します。
単位の取り方によっては、留年中に半期休学できる可能性があるからです。
例えば
「前期の単位は全て取得したけど、後期で単位を落として留年してしまった」
このような場合、再取得が必要な単位は全て後期に集中しているので、前期に休学して後期だけ通学する形にできます。
休学すれば支払う学費も半分になるので、可能な場合は必ず半期休学しましょう。
休学制度を利用する際の注意点は、申請が必要なことです。
期日までに申請をしないと在学のままになり、学費が発生してしまうので注意してください。
留年が決まってしまったらすぐに落とした科目を把握し、自分が半期休学できるかどうかを確認しておきましょう。
今後のスケジュール把握する
留年中は、今までと比べて生活がガラッと変わります。
1年間どのようなスケジュールになるのかを必ず確認しましょう。
以下の項目が重要なポイントです。
- 週何日大学へ行くのか
- どの曜日のどのコマの講義を受けるのか
例えば僕が留年していたときは、火・金曜日の2時間目の講義を受けていました。
受ける講義を間違えると、留年したにもかかわらず取得するべき単位が取れなくなってしまいます。
2年連続で進級できず、最悪除籍されてしまう可能性もあります。
除籍とは、諸事情により大学から籍を消されてしまうことです。
このような事態を防ぐために、留年中のスケジュールを必ず把握しておきましょう。
薬学部で留年したときのおすすめの過ごし方5選
留年すると、忙しかった今までとは違って多くの余暇時間ができます。
1年間という時間は長いです。遊びやアルバイトに励むのも良いですが、せっかくなら将来に大きく役に立つことをしましょう。
将来のためとはいっても、何をすればいいか分からないよ。
やることが決まらない人には、次の5つがおすすめです。
- 読書をする
- 筋トレをする
- 普段できない体験をする
- SNS・ブログで発信をする
- 薬局やドラッグストアでアルバイトをする
一つずつ解説します。
読書をする
最もおすすめなのが読書です。
読書には以下のメリットがあります。
- 知識、知恵を身につけられる
- お金をかけずに趣味を楽しめる
- 集中力をきたえられる
僕は留年中に読書をしたことで、薬学以外の知識を身につけられました。
当時得た知識は今でも役に立っています。
おすすめのジャンルはお金系と健康系です。
これらは人生と密接にかかわっており、一生にわたって付き合っていきます。
お金と健康に関する知識を得ておけば、今後の人生で必ず役に立つはずです。
また読書はお金をかけずに楽しめます。
一般的な本は高くても1,000~2,000円程度であり、月に4冊買っても1万円もかかりません。
学生でも十分支払える金額です。
他にも読書によって集中力をきたえることで、日々の勉強にも役立てられます。
テスト勉強も以前よりはかどるようになるでしょう。
読書はお金がかからないのに、多くのメリットがあります。
時間を持て余している人にはぜひおすすめです!
筋トレをする
定期的に筋トレをするのもおすすめです。
筋トレをすると痩せられるだけでなく、心身ともに健康になれます。
特に知っておきたいのがメンタルヘルスを改善する効果です。
これには筋トレによって増えるセロトニンというホルモンが関係しています。
セロトニンは幸せホルモンと呼ばれ、精神を安定させるはたらきがあると言われています。
- 精神を安定させる
- ストレスを解消する
- 脳のはたらきを良くする
留年すると、どんな人でも少しは落ち込んでしまいますよね。
特に留年が決まってすぐの間は、なかなか立ち直れないと思います。
筋トレはこういった気持ちの落ち込みを改善するのにうってつけです。
実際に僕も留年中に筋トレをしていました。
よく行っていたのは腕立て伏せやスクワットです。
これらのおかげか、留年したにもかかわらず意外とメンタルは安定していました。
普段できない体験をする
留年中は時間があるので、普段できない体験にチャレンジしてみましょう。
さまざまな経験をすることで、今後の人生を考えるきっかけになるからです。
具体的には次のようなことをおすすめします。
- 色々なアルバイト
- 一人暮らし
- 価値観の近い人と出会う
アルバイトをすると、その職業の働き方がある程度分かります。
正社員の人と話をすれば、その業界の良いところ・悪いところなどが聞けるので、非常に有益です。
運が良ければ給与水準や待遇についても情報が得られるかもしれません。
これらは卒業後の働き方を考える上で非常に参考になるはずです。
留年中のアルバイトは一つに絞らず、短期雇用で色々なところを経験するのをおすすめします。
なぜならより多くの業界・職種を経験した方が、多様な働き方を知ることができ、あなたの知見がひろがるからです。
勉強で忙しいとたくさんのアルバイトはできませんが、留年中ならできるはずです。
ぜひチャレンジしてみましょう。
僕も留年中は接客や塾講師、引っ越し屋などさまざまなアルバイトをしました。
またお金に余裕があれば、一人暮らしをしてみるのもおすすめです。
一人暮らしをすると家事やお金の管理を自分でするので、生活力が身につきます。
これらは必ず将来役に立ちます。
お金に余裕がなければ、住み込みのアルバイトなどで疑似体験してもよいでしょう。
他には価値観の近い人と出会うのもおすすめです。
最近はSNSやオンラインコミュニティなどが盛んなので、これらを利用して自分と気が合いそうな人にコンタクトをとってみましょう。
初めは緊張するかもしれませんが、慣れればスムーズにできるはずです。
価値観の近い人とつながると、友達になったり新たな気づきを得たりします。
これらがあなたの資産になるのです。
留年中しかできない体験は他にもたくさんあります。
まずは自分のできそうなことからチャレンジしてみましょう。
SNS・ブログで発信をする
留年中にSNSやブログで発信をするのもおすすめです。
- 物事を分かりやすく伝える能力がつく
- 継続力がつく
例えばSNSのフォロワーを増やすには、あなたのアカウントを見ている人に情報を分かりやすく伝えなければなりません。
そのため発信活動を行うと、物事を相手に分かりやすく伝える力が身についてきます。
僕は留年中にブログを書いていたおかげで、アルバイト先の塾で「授業が分かりやすい」と言ってもらえることが増えました。
また発信を続けていると、継続力もアップします。
なぜならSNSやブログの更新を続けるのは簡単なことではなく、これをやるだけでもかなり継続力が伸びるからです。
ブログの更新を続けたことで、6年次の国試勉強を最後まで継続できました。
薬局やドラッグストアでアルバイトをする
薬局やドラッグストアでアルバイトをすると、卒業後に薬剤師として働くときに活かせます。
- 薬局やドラッグストアの良いところ・悪いところが分かる
- 薬剤師の基本的な業務を前もって経験できる
- 就職後に仕事を覚えるのが早くなる
厚生労働省の調査では、薬剤師の53.3%が薬局に勤めているという結果が出ています。
参考:厚生労働省HP「令和2(2020)年 医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」
つまりあなたが将来、薬局に就職する可能性は十分にあるということです。
学生時代に薬局の仕事を経験しておけば、必ず役に立ちます。
もし新しいアルバイトを始めようと考えている場合は、薬局やドラッグストアがおすすめです。
留年に関するQ&A
留年すると不安な気持ちが強くなりますよね。
その不安を少しでも解消するために、ここからは留年したときに多くの人が感じる疑問に対して、一つずつ答えていきます。
内容は以下の通りです。
- 留年すると友達がいなくなる?
- 留年していると就職で不利になる?
- 薬学部で留年したら退学した方がいい?
実際に留年した僕が、経験をもとにお話ししていきます。
Q.留年すると友達がいなくなる?
A.そんなことはありません。
留年すると今まで仲良かった人と違う学年になってしまうため「友達がいなくなってしまうのでは?」と不安になると思います。
でも大丈夫です。
一つ下の学年にもあなたと同じ留年生はたくさんいるので、その人たちと友達になればOKです。
たいていは向こうもあなたと同じ気持ちなので「一緒に講義受けよう」と誘えば応じてくれます。
また現役生にもフレンドリーに接すれば、仲良くしてくれる人は多いです。
しっかりと周りの人とコミュニケーションをとれば、留年していても問題なく友達ができます。
僕は周囲の人に積極的に話しかけたら、問題なく友達ができました。
むしろ留年した後の方が友達が増えました(笑)
Q.留年していると就職で不利になる?
どこを志望するかによります。ただし何度も留年を重ねていると、良い印象をもたない企業もあります。
例えば志望者倍率の高い病院は、学歴や経歴を重視するところがあります。
また製薬メーカーは、他学部の就活生とも戦うため留年が影響します。
これらへの就職を考えている場合は、留年の影響を少なくするための戦略を考えることが必要です。
しかし薬局やドラッグストアでは、留年を気にする企業はほとんどありません。
実際に僕が勤めている薬局にも、留年・国試浪人を経験した人がたくさんいます。
留年しているかどうかよりも、人間性や面接時の受け答えがしっかりしているかの方が重要です。
そちらを磨いていきましょう!
Q.薬学部で留年したら退学した方がいい?
いつ留年したかによります。
1~2年次で留年した場合は、退学して別の学部への編入を検討してもよいでしょう。
ですが3年次以降の場合は、基本的に退学はおすすめしません。
なぜなら支払った学費や費やした時間を考えると、3年次以降で退学するのはコスパが悪いからです。
よっぽど他にやりたいことがあれば別ですが、3年次まで上がったら基本的に卒業まで続けてください。
でも、学費の負担がきつい…
なんとしても退学は避けてください!
学費の工面が難しい場合は、一度休学するという方法もあります。
薬剤師は平均年収が高いです。
多少お金がかかったとしても、なる価値はあります。
一度入学したら、基本的には卒業まで続けましょう。
まとめ
薬学部で留年してしまったら、まず次のことをしましょう。
- 留年生ガイダンスに出席する
- 休学手続きをする
- 今後のスケジュールを把握する
これらをしておけば、大きな失敗をすることはありません。
留年中のおすすめの過ごし方は以下の5つです。
- 読書をする
- 筋トレをする
- 普段できない体験をする
- SNS・ブログで発信をする
- 薬局やドラッグストアでアルバイトをする
上記は全てこなす必要はありません。
自分に合ったものだけ取れ入れても、必ず役立つはずです。
少しずつ試してみて、有意義な生活にしましょう!