「痛み止めを飲んだら、胃が痛くなった…」
あなたはこんな経験はありませんか?
突然の頭痛を止めたいけど、一度過去に副作用を経験すると、痛み止めを飲むのをためらってしまいますよね。
ロキソニンは痛み止めの中でも特に胃が荒れやすいって聞いたけど、本当かしら?
ロキソニンで胃が荒れることはあります。
これはロキソニンに胃の粘膜保護作用を弱めるはたらきがあるからです。
次の見出しで詳しく解説していきます。
ロキソニンで胃が荒れる原因は?
ロキソニンは痛みの原因であるプロスタグランジンという物資ができるのを防ぐことで、鎮痛作用を発揮します。
しかしプロスタグランジンには胃粘膜を保護する作用もあるのです。
通常時には、これらの胃を守る成分と胃酸の量がバランス良く保たれているので、胃が荒れることはありません。
ですが、プロスタグランジンが少なくなると胃酸が過剰にはたらいてしまい、その結果胃痛や胃もたれを引き起こす可能性があります。
▼プロスタグランジンのはたらき
ロキソニンによる胃痛を防ぐ方法
痛み止めで胃が荒れる理由は分かったけど、それほ防ぐ方法はないのかしら?
ロキソニン服用後の胃痛を確実に防ぐ方法はありません。
ですが、これから話すことを実践すれば症状を未然に防いだり、軽減することはできます。
結論からいうと、胃痛を防ぐ方法は次の3つです。
- 空腹時を避ける
- 使用間隔を長めにあける
- 胃薬を一緒に飲む
一つずつ解説していきます。
空腹時を避ける
冒頭でもお伝えしたように、ロキソニンによる胃痛の原因は胃酸です。
これが胃の粘膜を傷つけることにより、胃が痛くなります。
この症状は特に空腹時に起こりやすいです。
例えばお腹が空いているときに、いきなりお酒を飲んだり、揚げ物を食べたりすると胃もたれしますよね?
この理由は、胃壁が強く刺激されることにより炎症を起こしてしまうからです。
同じように胃が空っぽのときに薬を飲み、胃粘膜が薄くなると、ダイレクトに胃酸の刺激を受けてしまい胃が荒れてしまいます。
これを防ぐためにもロキソニンは空腹時を避けて、食後に飲むようにしましょう。
ちなみに本剤の添付文書にも空腹時を避けるように記載があります。
添付文書とは、医薬品の効果や使い方、注意事項などをまとめたものです。
市販薬の外箱を開けると、たいてい薬と一緒に入っています。
家電でいう取扱説明書みたいなものです。
また外出時など、どうしても食後で飲むのが難しい時もあると思います。
そんな時は、服用時に水を多めに飲むようにしましょう。
水を多めに飲むことで、食後と同じように胃への負担の軽くすることができます。
胃粘膜を保護するとともに、胃酸が薄まり、刺激が少なくなるからです。
常に水筒やペットボトルの水を持ち歩くようにすると良いでしょう。
使用間隔を長めにあける
ロキソニンによる胃痛を防ぐには、できるだけ使用間隔を長めにあけるのも有効です。
当然ですが、短時間に服用する錠数が多いほど、胃痛のリスクは上がります。
これを少しでも防ぐには、一定時間経過してから2錠目を飲むのが望ましいでしょう。
添付文書には使用間隔の目安として4時間以上と記載されています。
しかしこれはあくまで最低限の目安であり、4時間あければ必ず胃腸障害を防げるわけではありません。
↑はロキソニンが体内に入ってから、時間経過とともに血中濃度がどのように変化したかを表すグラフです。
(※グラフはロキソプロフェンナトリウム錠となっていますが、ロキソニンと同じものです。)
グラフによるとロキソニンを飲んでから30~40分後に最高血中濃度に達し、その後徐々に下がっていることが分かりますね。
ここで注目すべきポイントは、完全に血中濃度がゼロになるまでに、約6時間を要しているという点です。
4時間後では、まだ少し薬が体内に残っています。
この状態で2錠目を飲むと、ロキソニンの体内量が多くなり、胃痛が起こる可能性が上がってしまうのです。
そのため万全を期すなら、添付文書に記載の4時間ではなく、さらに長めに6時間以上間隔をあけると良いでしょう。
胃薬を一緒に飲む
予防として胃薬を一緒に飲むのも良い胃痛対策になります。
実際に医療機関でロキソニンを処方する際には、一緒に胃薬が出ることが多いです。
このとき処方される胃薬には、市販で買えるものもあるので、これを同じように使うことで胃痛を抑える効果が期待できます。
おすすめは胃酸の出過ぎを抑えるガスター10(第一三共ヘルスケア)や、胃粘膜を保護するセルベール(エーザイ)です。
どちらも医療機関で処方されるものと同じ成分を含んでおり、しっかりと効果が出ると思います。
また共に市販の胃腸薬の中では価格が抑えめで、財布にも優しいです。
飲み方はロキソニン服用時に一緒に飲むという形で問題ありません。
ちなみにロキソニンSシリーズ(第一三共ヘルスケア)の一つであるロキソニンSプラスならば、過剰な胃酸を中和する酸化マグネシウムが一緒に添加されています。
別途胃薬を用意する必要がなく手軽なので、こちらもおすすめです。
まとめ
ロキソニンによる胃痛は、プロスタグランジンの減少により胃粘膜の血流が低下し、胃酸によって胃壁が傷つけられるためです。
これを防ぐには次のような対策を行うのが良いでしょう。
- 空腹時を避ける
- 使用間隔を長めにあける
- 胃薬を一緒に飲む
ただしこれらの対策を行っても胃痛が改善しない場合は、専門の医療機関を受診するようにしましょう。
また症状がなくても、知らないうちに胃腸が荒れていることもあります。
次のような使い方は控えましょう。
市販薬だからといって、副作用が全く出ないわけではありません。
決められた用法用量や注意事項を守り、正しく使用しましょう。
もし分からない事や気になる事があれば、薬局・ドラッグストアの薬剤師さんに気軽に相談して下さいね。